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エデンの鍵に関する情報を置いていくブログ。 時に短編小説もあるかも?
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 嫌な仕事だったのか、真実の表情が晴れない。
 チャイはお得意のオヤジギャグを連発することにした。
「今日の仕事を頼んだのは、お頭かしら?くっ。」
 自分で言っていて笑ってしまうが、真実はソファに足を抱えるようにして座ったまま、ぼんやりと窓の外を見ている。
「商いは飽きない、っていっても、大変だね、まこちん。」
 肩を抱こうと腕を出すと、すっと払われてしまった。
「おやぁ、真実、こんなところに、傷が。怪我したんじゃないか?俺、傷に気づいたよ。傷に、気付く。くっくくく!」
 ソファの隣りに座ると、真実は距離を空けて、端っこの方に逃げてしまう。よほど嫌なことがあったのだろう。
 座っていれば気付かない1センチの身長差。
 真実はチャイより背が高い。
「公道で行動したんだろ、疲れたよな。こうどうで、行動……。」
「チャイ。」
 ふと、オヤジギャグを遮って真実がチャイに近づいてきた。ふわりと肩に乗せられる、頭。頬に触れる柔らかな明るい茶色の髪。
「お願い、今は、黙って。」
 甘えるような口調にチャイは、真実の頬に手を添えた。
 重なる唇。
 ぱっと、弾かれたように真実が顔を赤らめて体を離す。
「ちゃ、チャイ、何を!?」
「俺を黙らせるには、これ以外方法はないよ?」
 へらへらと笑っているチャイに、真実は俯いた。
 立ち上がり、部屋を出ていこうとする真実を、チャイは抱きしめる。
「真実、俺を、黙らせたく、ないの?」
 焦らすような言葉に、真実は動かなかった。動けなかった。
「行き先は、ベッド?それとも、ソファ?」
 甘い囁きに、真実の耳がしびれる。
 抱きしめられてしまえば、身長はもう関係なかった。

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