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エデンの鍵に関する情報を置いていくブログ。 時に短編小説もあるかも?
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 どんっと目の前に置かれたそれに、レノリアの目が丸くなった。
 軽く直径40センチはあるであろう、ホールケーキ。しかも、こってりとチョコレートでコーティングされて光沢を放っている。
「レノリア、半分食べる?それとも三分の一?」 
 物凄い選択を迫るのは身長177センチの長身、褐色の肌の女性、ユンファで、レノリアは言葉を失いかける。
「手作りなんだけど、チョコ、もしかして、嫌いだった?」
 しゅんとするユンファに、レノリアは慌てて答えた。
「嫌いじゃないわ。嬉しい。でも、少しずつ、大事に食べたい、かな?」
 意気消沈する177センチを慰めようと言葉を紡ぐと、ユンファの顔がぱっと明るくなる。
「そうだよね、チョコレートケーキは長持ちするんだ。毎日お茶してもいいよね。」

 単純な話。

 ユンファはレノリアと話す時間が欲しくて、マフィアが覇権を握ってからのここ数週間レノリアは超多忙で。
「コーヒーにする?紅茶にする?」
 こんな日常が欲しくて。
 多分、手を伸ばせばすぐにでも手に入るのに。
「ユンファ、チョコついてるわよ。」
 レノリアはユンファの口元に付いたチョコのかけらを指ですくい取って、舌先で舐めた。
「レノリアもついてる。」
 ちゅっと軽い音を立てて頬に唇が当たって、レノリアはくすぐったさに笑ってしまう。
 ただ、チョコレートを取ろうとしただけのユンファは、小首を傾げて微笑んでおり。
「平和って、こんなものなのかしらね。」
 レノリアは甘いチョコレートケーキを一口、頬張った。

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