エデンの鍵に関する情報を置いていくブログ。
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一番風呂は風呂屋の特権である。ユンファはそう決めていた。誰がなんと言おうと、ここでは自分が法律だ。まぁ、スペシャルマイペースなユンファはいつだって、自分が法律なのだが。
いつもは独り占めする風呂に、今日はレノリアを招いたのには、少しばかり理由があった。聞いてみたいことがあったのだ。
元々恥じらいと胸のないユンファは、全裸で風呂場に入り、がしゃがしゃと体と髪を洗う。レノリアは白い体をタオルで隠しつつ、洗っていた。普段は緩やかに波打つ髪が、水に濡れて体に貼りつき、色気を醸し出している。
「湯船にタオル、つけないでおくれよ。」
「分かってるわよ。」
何度か風呂に招いたので慣れているレノリアは、早朝の掃除したばかりの広い風呂に、ゆっくりと浸かった。続いて、ユンファの骨太で大柄な褐色の体が浸かる。もちろん、ユンファはタオルを頭に巻いて、髪が湯船に浸からないようにしていた。
「はぁーたまんないね。」
うっとりと目を細めるユンファに、レノリアも「同感だわ。」と小さく呟く。お湯の温度はやや高めだが、それが疲れた体を癒してくれていた。
「ねぇ、レノリア。ファンクって、知ってるかい?」
見を乗り出すユンファに、レノリアは頷く。
「ええ。それが、何か?」
確か、実戦部隊のレヴィや門番のプルウィアと仲が良かった獣人を記憶の中から引きずりだしたレノリアに、ユンファは眉間にしわを寄せた。
「私ってさ、どう思う?」
「え?いや、かっこいいと、思うわよ。」
急に問われて、レノリアは返答に困って妙なことを言ってしまった。ユンファがどんな答えを求めているか、レノリアには全く予測もつかない。
「どうしたの、ユンファ?」
「それが、分からなくて困ってるんだ。」
ため息をつくユンファはいつもの自信満々な彼女ではなく、レノリアは一番に栄養不足を疑った。
「ちゃんとご飯食べた?」
「食べたよ。炒飯と、バンバンジーと、玉子スープと、餃子60個と、肉まんと、角煮と、皿うどんと……。」
聞いているだけで胸焼けがしてきそうなメニューに、レノリアはストップをかけた。
「分かった。分かったから。」
すると、ユンファが急に視線をレノリアの胸部に落としてくる。じっと胸を見つめられて、レノリアは腕で胸を隠した。
「何?肉がちょっとついてるけど、これは、食べられないわよ?」
食べ物の話をしたので食欲がわいてきたのかと警戒するレノリアに、ユンファは意外なことを口にする。
「胸って、あった方がいいのかねぇ?」
「え?」
「私、あの尻尾が、どうしても欲しい。他の女のものになるなんて、絶対嫌だ。」
それがファンクのことだと気づいて、レノリアはようやく、自分が恋愛相談のようなものをされていたことに気付いた。それにしても、尻尾とは。欲しいのは尻尾だけなのだろうか。
「ねぇ、もしかして。」
言いかけて、この鈍いユンファが自分の気持に気づいていないのではないかと思い、レノリアは口を閉じる。
もしかすると、違うかもしれないし、そうであっても、この鈍い女友達を手放したくないという独占欲のようなものがわいてきたのだ。
「のぼせそうだわ。私、上がるわね。」
立ち上がったレノリアに、ユンファも続いた。どこかぼんやりとしたユンファが、石鹸を踏んでずっこけて、レノリアの異能で倒れる前に止めてもらって、支えてもらうまで、後5秒。
天井から雫が垂れて落ちていた。
いつもは独り占めする風呂に、今日はレノリアを招いたのには、少しばかり理由があった。聞いてみたいことがあったのだ。
元々恥じらいと胸のないユンファは、全裸で風呂場に入り、がしゃがしゃと体と髪を洗う。レノリアは白い体をタオルで隠しつつ、洗っていた。普段は緩やかに波打つ髪が、水に濡れて体に貼りつき、色気を醸し出している。
「湯船にタオル、つけないでおくれよ。」
「分かってるわよ。」
何度か風呂に招いたので慣れているレノリアは、早朝の掃除したばかりの広い風呂に、ゆっくりと浸かった。続いて、ユンファの骨太で大柄な褐色の体が浸かる。もちろん、ユンファはタオルを頭に巻いて、髪が湯船に浸からないようにしていた。
「はぁーたまんないね。」
うっとりと目を細めるユンファに、レノリアも「同感だわ。」と小さく呟く。お湯の温度はやや高めだが、それが疲れた体を癒してくれていた。
「ねぇ、レノリア。ファンクって、知ってるかい?」
見を乗り出すユンファに、レノリアは頷く。
「ええ。それが、何か?」
確か、実戦部隊のレヴィや門番のプルウィアと仲が良かった獣人を記憶の中から引きずりだしたレノリアに、ユンファは眉間にしわを寄せた。
「私ってさ、どう思う?」
「え?いや、かっこいいと、思うわよ。」
急に問われて、レノリアは返答に困って妙なことを言ってしまった。ユンファがどんな答えを求めているか、レノリアには全く予測もつかない。
「どうしたの、ユンファ?」
「それが、分からなくて困ってるんだ。」
ため息をつくユンファはいつもの自信満々な彼女ではなく、レノリアは一番に栄養不足を疑った。
「ちゃんとご飯食べた?」
「食べたよ。炒飯と、バンバンジーと、玉子スープと、餃子60個と、肉まんと、角煮と、皿うどんと……。」
聞いているだけで胸焼けがしてきそうなメニューに、レノリアはストップをかけた。
「分かった。分かったから。」
すると、ユンファが急に視線をレノリアの胸部に落としてくる。じっと胸を見つめられて、レノリアは腕で胸を隠した。
「何?肉がちょっとついてるけど、これは、食べられないわよ?」
食べ物の話をしたので食欲がわいてきたのかと警戒するレノリアに、ユンファは意外なことを口にする。
「胸って、あった方がいいのかねぇ?」
「え?」
「私、あの尻尾が、どうしても欲しい。他の女のものになるなんて、絶対嫌だ。」
それがファンクのことだと気づいて、レノリアはようやく、自分が恋愛相談のようなものをされていたことに気付いた。それにしても、尻尾とは。欲しいのは尻尾だけなのだろうか。
「ねぇ、もしかして。」
言いかけて、この鈍いユンファが自分の気持に気づいていないのではないかと思い、レノリアは口を閉じる。
もしかすると、違うかもしれないし、そうであっても、この鈍い女友達を手放したくないという独占欲のようなものがわいてきたのだ。
「のぼせそうだわ。私、上がるわね。」
立ち上がったレノリアに、ユンファも続いた。どこかぼんやりとしたユンファが、石鹸を踏んでずっこけて、レノリアの異能で倒れる前に止めてもらって、支えてもらうまで、後5秒。
天井から雫が垂れて落ちていた。
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